安易な「移民受け入れ」は要注意!(上)  

1.第6次出入国管理政策懇談会座長の「移民受け入れ」論
 わが日本政府は、少子高齢化による人口減少と景気活性化への対応として、外国人の受け入れに力を入れている。安倍内閣においても外国人の招致を成長戦略の柱の一つに掲げている。
 人口の減少は経済活動を後退させ、日本が世界に誇る国民皆保険の健康保険制度や年金制度の維持に問題が生じる。そこで政府は、外国からの観光客の招致、留学生や専門技術など高度なノウハウを持つ人材の受け入れ促進、これらに伴う外国人へのビザ(査証)発給要件の緩和や入国審査手続きの簡素化に取り組むとしている。
 そのような状況下で、2013年8月1日付「読売新聞」2面に、『来日外国人増 まず景気』と題して、法務大臣の諮問機関「第6次出入国管理政策懇談会」の座長で元東京工業大学長の木村孟(きむら・つとむ)氏とのインタビュー記事が掲載されていた。同氏は、
「移民については、トラブルを起こすリスクを考えると、難しい判断が求められます。政府は少子化高齢化対策という小さな観点ではなく、大所高所から考える必要があります。日本は、外国に商品を買ってもらって豊かになったわけで、日本が外国から「自分のことばかり考えていないぞ」と評価されるためには、相応の移民は受け入れるべきだとは思いますね。」と述べている。また、日本の就労人口が2030年頃には約5600万人と予想され、その数値は現在の労働人口より一千万人くらい減ると言われている。そのためか、「移民を一千万人受け入れよう」と唱える国会議員も居る。
 確かに、外国からの観光客の招致、留学生や専門技術など高度なノウハウを持つ人材の受け入れ促進が日本の経済成長に寄与することは論を待たない。しかし、日本が外国から「自分のことばかり考えていないぞ」と評価されるために相応の移民を受け入れるべきだとの考えは
余りにも安易ではなかろうか。

2.在日韓国・朝鮮人の現状
 月刊誌『正論』の2013年9月号に、産経新聞論説委員・河合雅司氏の『「人口戦」としての大東亜戦争㊦』が掲載されているが、その中で河合氏は、外国人労働者が「移民」として日本に残れば、住宅や社会保障制度への加入、子供の教育費などの問題が発生し、これらのコストは誰が負担するのか。やってくるのは若い人だけとは限らないし、年老いた両親を呼び寄せる場合もある・・・と懸念している。加えて、同氏は次のように述べている。
「日本人が急速に減る中で移民の大量受け入れは、日本人のほうがマイノリティーになることも想定しておかなければならない。その時、天皇への尊敬の念や古来の文化や伝統の継承などは支障なく維持されるだろうか。人間というのはそう簡単に母国への思いを断ち切れるものではないだろう。彼らが国会議員や社会の要職に就く時代に、大量に受け入れた相手国と日本が外交的な緊張関係に陥りでもすれば、国論が割れて国家を危うくすることはないのか。移民政策には、安全保障上の視点も求められる。」
 法務省入国管理局発表の資料によれば、平成24年末現在の①中長期在留外国人の数は165万6514人で、②特別永住者数は38万1645人、①及び②を合わせた在留外国人数は203万8159人であるが、これらの数字には日本に帰化した人の数は当然含まれていない。
 昭和34年(1959年)7月発表の外務省資料によれば、1958年(昭和33年)時点での在日韓国朝鮮人の来歴内訳は、
(1)終戦前に日本で生まれた人数は17万3311人で全体の28%。
(2)1939年(昭和14年)9月1日から終戦までに来た人数は3万5016人で、そのうち徴用さ
  れた人数は245人で0.04%。
(3)1939年8月の「自由募集」以前に来た人数は10万7996人で18%。
(4)来往時不明(いつ来たかが不明)人数は7万2036人で12%。
(5)所在不明の人数は1万3898人で2%。
(6)戦後に日本で生まれた人および戦後に日本に入国した人数は20万8828人で34%。
・・・となっている。
 在日韓国・朝鮮人は、日本の外国人のうち、韓国・朝鮮籍を持つ人のことであり、2012年12月末現在、韓国・朝鮮籍の「中長期在留者」及び「特別永住者」の合計は530,046人、そのうちしばしば「在日」と略称される韓国・朝鮮籍特別永住者は377,350人となっている。(外国人登録制度が廃止されたため、2012年7月以降の統計においては、「外国人登録者」が、「在留外国人」に置き換わった。)また、韓国に本籍地があっても朝鮮籍のままの者もいるため、北朝鮮地域を本籍地にしている者は2010年末時点で2,589人に過ぎないが、朝鮮籍保持者は3~4万人程度いるとみられている。このように、長年に亘り日本定住外国人の最大勢力であった在日韓国・朝鮮人が、帰化と死去による特別永住者の減少が続き、2007年度、急増する在日中国人を下回った。
 在日韓国・朝鮮人に関する問題点は少なくない。まず、日本国では外国人による日本国政治家への献金は公職選挙法第二十二条の五によって禁じているが、菅直人内閣総理大臣(当時)や前原誠司外務大臣(当時)などに対して在日韓国人から長年にわたって献金が行われていることが明るみとなり、在日韓国・朝鮮人の(日本の)国政関与の問題が顕在化しているが、これには後述する通名問題・社会保障問題・在日韓国・朝鮮人の参政権問題等が絡んでくる。

3.在日韓国・朝鮮人に関する問題点・・・現在ですらこの状態!
(1)在日韓国・朝鮮人による犯罪・・・2007年(平成19年)の統計では、在日韓国・朝鮮人を含む「定住居住者及び在留資格不明者の刑法犯」は来日韓国・北朝鮮人の検挙者数の3倍以上となっている。犯罪の種類は、凶悪犯・粗暴犯・覚醒剤取締法などに偏っており(全て検挙者数第1位)、特に覚醒剤での摘発は覚醒剤取締法違反による外国人検挙者数全体の4割近い。来日韓国・北朝鮮人の犯罪で顕著なのは不法滞在で、2009年(平成21年)の法務省入国管理局発表で全体の21.4パーセントを占め、不法残留者数1位となっている。
(2)通名問題
・・・在日韓国・朝鮮人には、日本式の姓名、「通名(通称名)」を名乗って韓国・朝鮮式の本名を隠す人々が存在し、新聞・TV等のマスコミ報道においては、各社の方針によって通名での報道がなされる場合が多々存在する。このことは、犯罪者にあっては本名隠匿による過擁護と通名の変更による再犯の要因になり得る。 ただし、近年では、民族としてのアイデンティティーを取り戻す意味で、韓国・朝鮮式の姓名を名乗る者が徐々に増えてきている。これには在日韓国・朝鮮人たちによる啓蒙活動に加えて、韓国の近年における経済発展によって日本での韓国の評価が上昇してきたことや、日本と韓国の文化交流が拡大発展を続けていることも無縁ではないと思われる。2009年の事例では、弾道ミサイルの発射台に転用できるトレーラーを日本から北朝鮮に不正輸出した容疑者が逮捕された北朝鮮タンクローリー不正輸出事件の報道で確認することができる。在日本大韓民国民団の発表では、韓国・朝鮮式の本名で暮らす人は全体では1割強にとどまり、3人に1人は「状況により使い分ける」としていることを明らかにした。日本のマスコミが犯罪報道の際、容疑者・被告の在日韓国・朝鮮人についてはテレビ局や新聞社の内規で本名を報道するか通名を報道するかを決めているそうだが、日本人は実名で報道され在日韓国・朝鮮人が通名で報道されるのは異常でしかない。
(3)社会保障問題・・・1950年代には、在日韓国・朝鮮人が生活保護費の受給もしくは増額を要求して集団で区役所とか町役場などの地方自治体に押し寄せた騒乱事件が多発したが、代表的な騒乱事件としては神戸市の永田区役所襲撃事件、兵庫県河西郡下里村(現在の加西市)の下里村役場集団恐喝事件、山口県宇部市で発生した万来町暴動事件などがある。このような在日韓国・朝鮮人の暴力・脅迫などによって在日韓国・朝鮮人の生活保護受給率が日本人より高くなっているが、近年、在日韓国・朝鮮人を生活保護の時給対象者とすることや、認定の方法・基準への異議が出されている。また、2010年時点での大阪市の例では、在日韓国・朝鮮人の無年金者が日本人の国民年金加入者よりも多額の受給を受けている逆転現象が問題になっている。
 日本政府は現在、「年金など社会保障の責任は国籍の属する本国が行うべき」という立場から、年金を払い込んでいなかった在日韓国・朝鮮人に対して年金支給を行っていない。この日本政府の見解に対して「民団」や「朝鮮総連」を中心とした在日韓国・朝鮮人は、在日韓国・朝鮮人に対しても年金を支給するように要求している。年金に関連して、2010年から大きく取り上げられた高齢者所在不明問題では、2010年8月15日の時点で100歳以上の所在不明高齢者のうち外国人は35人であり、全員が韓国・朝鮮籍とみられている。これについては、再入国許可を得て日本から出国し故郷で死去したケースも多いのではないかとされる。北朝鮮は、日本で年金生活を送る在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の高齢者に「月3万円あれば、北で豊かに暮らせる」などと宣伝して永住帰国を求め、帰国後は死亡しても日本側に伝えない手法で一人当たり12万円ずつの年金を「着服」していると、消息筋が伝えている。
(4)在日韓国・朝鮮人の参政権問題・・・在日本大韓民国民団は、2009年8月30日投票の第45回衆議院議員総選挙から外国人参政権付与を掲げている候補者を支援しており、集会を通じて、民団の構成員に選挙への支援を指導している。一方、朝鮮総連では在日朝鮮人はれっきとした独立国である北朝鮮の海外公民であるので、民団の外国人参政権獲得運動は韓国政府の棄民政策や、日本政府による同化政策に追随するものだとしてこれに反対している。2010年1月11日、民主党幹部会議永住外国人に地方選挙権を付与する法案を、議員立法ではなく、政府提出法案として召集の通常国会に提出する方針を固めたことを受け、鳩山由紀夫総理大臣(当時)は原口一博総務相(当時)に永住外国人地方参政権付与法案の検討着手を指示した。2011年11月18日の在日本大韓民国民団の創団65周年記念式典において、鳩山由紀夫、公明党の山口那津男代表、社民党の福島瑞穂党首(当時)らが永住外国人への地方参政権(選挙権)付与法案の早期成立を訴えた。鳩山は「永住外国人、特に韓国の皆さま方が『地方参政権を早く認めるように』というのは当たり前の願いだ」として2012年の通常国会での成立を可能な限り努力すると表明した 。また、樽床伸二幹事長代行(当時)は同式典において「鳩山氏の思いをしっかり支えながら、国政運営にあたっていく」と述べたが、その一方で、李鍾元立教大学法学部教授は、日本の右傾化に対処する方法の一つとして、在日韓国人の地方参政権獲得とともに日本社会を内側から変化させる方法を指摘し、韓国が先に永住外国人に地方参政権を付与した措置を高く評価している。在日韓国人地方参政権獲得運動の支援の一環として韓国で外国人参政権付与が行われるなど、韓国においてもこの運動は支持されていいて、地方参政権問題は今まで抑圧されてきた在日韓国人同胞の恨をはらす契機とも見ることができるとして歓迎している。民団の主導による在日韓国人に対する日本国の参政権付与を求める活動は活発化しており、地方参政権に反対する議員が多数派を占める地方議会に対しては「日韓親善協会との協力体制」「地方議会で傍聴を行う」などの対応策が検討されてきた。たとえば、千葉県市川市では、民団市川支部の組織的な「巻き返し工作」により、2010年1月29日の市議会総務委員会で可決されていた永住外国人への地方参政権の付与に反対する意見書を、翌20日の本会議で否決させることに成功している。
 以上のように、歴史的背景があるとはいえ在日韓国・朝鮮人は日本の社会の秩序崩壊に深刻な影響を与えている。幸いにも自民党の政権復帰により民主党・社民党・共産党等が目指したの亡国的法案(永住外国人に地方選挙権を付与する法案)の成立はなくなったが、政権与党の公明党や最近勢力を伸ばしている共産党はまだ諦めていない。
 このように見てくると、在日韓国・朝鮮人に限っただけでも産経新聞論説委員の河合雅司氏の懸念が既に顕在化しているのがわかる。さらに、次回に詳述する在日中国人の問題もある。日本が積極的に、且つ安易に移民の受け入れを行った場合、中国大陸からの大量移民の流入を覚悟しなければならない。それが安全保障上どれだけ我が国の脅威となるか自然界の法則と歴史の教訓に学ぶべきであろう。(拙稿「【3】バッタと中国」を参照)
 したがって、単に日本が外国から「自分のことばかり考えていないぞ」と評価されたいために、相応の移民を受け入れるべきだとの考えは
余りにも安易すぎると警鐘をならしたい。(以下、次回に続く)
 

(石戸勝夫)

  関連リンク   
安易な「移民受け入れ」は要注意!(下)
                
◆バッタと中国

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