バッタと中国                                    
 名前を忘れたが、ある本に次のようなことが書いてあった。
 つまり、
『聖書』の「出エジプト記」の10章13節途中から15節までを見ると、
「・・・朝になると東風がイナゴの大群を運んできた。イナゴの大群はエジプト全土を襲い、エジプト全域にとどまった。じつにおびただしく、こんなイナゴの大群は、前にもなかったし、この後にもないであろう。それらは全地の面をおおたっので、地は暗くなった。それらは、地の草木も、雹(ひょう)を免れた木の実も、ことごとく食い尽くした。エジプト全土にわたって、緑色は木にも野の草にも少しも残らなかった」
と書かれたいる。
 
また、中国清朝時代の苦しい農民の生活を描いたパール・バックの小説『大地』には
「ある日、南の空に小さな雲が現れた。初めは地平線上に浮かぶ霞のようだったが、やがてそれが空に扇形に広がってきた。雲か霞かと見えたのは、実はイナゴの大群だった。そのうち空は暗くなり、無数のイナゴの羽音で大気が震えた。これに襲われた彼らの農作物はすべて食い尽くされてしまった」
とも書かれている。
 『聖書』も『大地』もイナゴといっているが、「イナゴ」の大群は、実はトノサマバッタやサバクトビバッタの大群であったそうだ。昆虫学上の分類はともかくとして、これらのトノサマバッタやサバクトビバッタは、その数が増えて周囲に仲間が多くいるのを認識すると、このままでは食料不足になるので移動を考えて足や羽が通常とは違う丈夫な個体に変身し、一斉に旅立って遠方の農地などを襲い、さらに大発生して大群となり、台風のように何百キロも飛び回りながら緑を食いつくすそうである
 
このトノサマバッタやサバクトビバッタの生態も人間の生態もあまり違いはないように思える。中国を引き合いに出すのは公平を欠くことかもしれないが、中国の歴史を見るとバッタの生態と同じことを繰り返している。勿論、中国だけでなく地球上の他の民族も同様である。しかし、ここでは中国に的を絞って論じてみるが、13億余の人口を抱える中国では、国民に十分な食料を与えられなければ現在の統治機構は崩壊するだろう。要するに、中華人民共和国の分裂であり、中国共産党とその政府は、いかにして国民の不満を抑え、国民の生活を向上させるかを彼らなりの思考錯誤を繰り返している。ただ厄介なのは、その手段を見出す思考方法、価値観が欧米を中心としたものとは異なっていることだ。つまり、かれらの価値観の背景には常に「大中華思想」という理念が控えている。
 平成23年5月31日、中国共産党機関紙『人民日報』は「新自由主義にしろ、民主社会主義にしろ、こうした西側(諸国)の理論は中国の国情に合わない」として、中国独自の社会主義路線こそが進むべき道だとする論文を掲載した。要は、共産党が打ち出している路線、理論、制度に自信を持てということであるが、中国人は4000年間中央集権型の封建主義の中で生きてきたから、共産党による一党独裁の国家運営を受け入れやすいのであろうか。
 そんな中国は、「
日本は第二次世界大戦の際に盗んだ中国の領土を返還しなければならない」と毎日のように海洋巡視船数隻を日本領海あるいは接続水域に侵入させ、尖閣諸島の領有権を主張している。しかし、中国にとって尖閣諸島はほんの手始めに過ぎない。尖閣諸島を手中に収め、次は周辺の島々を狙い、やがて沖縄本島も取りに来るだろう。既に中国共産党機関紙『人民日報』には「沖縄県の帰属は歴史上の懸案であり、未解決の問題だ」との論文が掲載されるなど、中国は尖閣諸島の次は<沖縄を返せ>を主張しはじめている。
 前述のとおり、トノサマバッタやサバクトビバッタには食料不足になれば集団で他の場所に移動する。そのため足や羽が通常とは違う丈夫なものになが、中国が中古の空母を改造したり、新たに建造を計画しているのもバッタの生態と同様に、13億余の国民を食わせていくための行動だあると理解はできる。しかし、それに対して備えを怠っていると、気づいてみると「日本」という島々は、「中国」というバッタの大群によって緑が食い尽くされてしまう。それは短時間に起きることではない。彼らは、10年、20年、50年・・・100年という長い時間を費やして目的を達成してくる。現在の中国には欧米人や日本人が持っている考え方は通用しない。13億の国民のためか、一部支配層のためかは別として、中国はどのような手段でも用いてくるだろう。
 最後に、我々日本人が忘れてはならない事がある。それは、バッタの生態とは別に、中国や朝鮮半島の民族には、百年、千年、二千年・・・と過去の恨みを忘れない習性がある。そして、その恨みに対する復讐を忘れない。仮に一般的な中国人や韓国人・朝鮮人の為政者たちは、その過去の恨みを利用して政治的に日本を攻撃してくる。従軍慰安婦や歴史認識問題を持ち出している中国や韓国は正に日本に対する歴史的復讐をしている。
 我々日本人が明治維新後の歴史をどのように解釈しようとも、あるいは日本が朝鮮半島から中国大陸に進出したことが侵略であろうなかろうと、それは中国や朝鮮半島の人々にとって日本に対する恨みでしかない。
 日本人がこの現実を脳裏に叩き込こんで平和ボケから目を覚まさし、消えることのない中国や朝鮮半島の恨みから如何に日本を守っていくか、真剣に我が国の安全保障を考え、自虐史観を根絶しなければ、沖縄どころか将来の日本全土が中国あるいは朝鮮半島の国の一部となるかもしれない。
「朝鮮半島の東の島々は昔、日本という国だった」と後世の歴史教科書に載ることだけは避けたいものである。    

 (2014年6月一部加筆、石戸勝夫)    

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