かつてニクソンもやった「秘密交渉」

~中国の北朝鮮に対する緩慢な圧力に業を煮やしたトランプ氏が側近に北との秘密交渉を容認することは十分考えられる。行われるとすれば、恐らくは欧州のどこかになるだろう。その時、日本政府に通告があるのかどうか。米中国交樹立の“ニクソン・ショック”では、日本側に通告されたのは、正式発表の3分前だった。~
(WEDGE Infinityより)
  

 

  1972年2月、当時のアメリカの大統領ニクソンは中国を訪問して毛沢東と握手をした。20年に及ぶ敵視政策を止めて米中和解が成立した。その前年(1071年)の7月16日、ニクソンの訪中決定が日本政府に伝えられたのは発表の数十分前であった。アメリカと強固な同盟関係にあった日本を飛び越えて、アメリカと中国(中共)だけで決定された。
 軍事同盟は本来的に脆弱な関係である。アメリカだけでなく世界のどの国でも、自国の国益を無視して危険は冒さない。事実、米中和解を実現に導いた当時のアメリカの国務長官ヘンリー・キッシンジャーは「同盟国に対する核の傘を保証するため自殺行為をするわけはない。 」と述べており、元CIA長官スタンフィールド・ターナーは「もしロシアが日本に核ミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに対して核攻撃をかけるはずがない。」とも断言している。これはアメリカの本音であり、現在もそうであろう。アメリカは、北朝鮮のアメリカ本土への核報復攻撃を覚悟してまで、日本を守るために北朝鮮と軍事対立する危険は冒さないだろう。
 日本は今、アメリカとの同盟関係を「信頼関係」とか「友人関係」といった甘い感情的な捉え方をしているが、軍事同盟はそれぞれの同盟締結国の不断の努力がなければとても維持できるものではない。
 北朝鮮がアメリカ、中国、ロシアなどの圧力に屈して核開発の停止と放棄を実行するとは思えない。最悪の場合、それがアメリカの国益になると考えられたとき、インドやパキスタンのようにある一定の条件下で北朝鮮の核保有が黙認されることも考えておかなければならない。
  そして、北朝鮮の核が日本への威嚇に使われるような事態が生じた時、果たしてアメリカは日本防衛のために北朝鮮攻撃に踏み切ってくれるだろうか。その答えは明白である。つまり、アメリカは、北朝鮮のアメリカ本土への核報復攻撃を覚悟してまで、日本を守るために北朝鮮と軍事対立する危険は冒さないだろうということだ。
 だから、自分の国を自分で守る備えは必要であり、その時代に応じて持つべき兵器は持っていなければならない。それが核兵器であっても・・・。

   
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9539

 
 2017年5月5日

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